ゼロから学ぶ土木施工管理

ゼロから学ぶ土木施工管理
  1. HOME > 過去問解説 > 2級 > 令和7年度(前期) > No.20 河川堤防の施工

令和7年度 2級土木施工管理技士 No.20を解説、河川堤防の施工と表面排水の勾配方向

令和7年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.20は、河川堤防の施工に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も適当でないものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、河川堤防を新設・拡幅・補強するときの基本(旧堤防の撤去順序、拡幅する側、軟弱地盤対策、表面排水)を問うものです。各工種の名前ではなく、堤体に降った雨水をどの向きに流して滞水・浸透を防ぐかという、勾配の方向を正しく押さえているかが分かれ目になります。

引っかけの核心は1点、堤体表面の排水勾配の方向です。雨水を速やかに排除するための勾配は堤体の横断方向に設けます。これを縦断方向と取り違えていないかが問われます。

※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢4(最も適当でない記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1○(正しい)旧堤防の撤去は、新堤防の地盤が十分に安定したのちに行う。治水機能を切らさない順序
2○(正しい)拡幅の腹付けは、旧堤防の裏法面側に行うのが原則。川幅を狭めず流下を妨げない
3○(正しい)軟弱地盤上では、緩速載荷工法や地盤改良工法を用いて沈下・破壊を防ぐ
4×(誤り)
雨水の滞水・浸透を防ぐ勾配は横断方向に設ける。縦断方向は誤り

選択肢4は、堤体表面の排水勾配を「縦断方向に設ける」とした点で誤りで、正しくは横断方向に勾配を設けて表面排水します。

選択肢4のポイント(ここが誤り)

堤体は土でできているため、表面に降った雨水がたまったり内部へしみ込んだりすると、含水比が上がって強度が落ち、法面の侵食や浸透破壊につながります。これを防ぐには、雨水を堤体の上にためず速やかに法面の外へ流し落とすことが基本です。

そのために設けるのが表面排水の勾配で、向きは堤体の横断方向、つまり天端から法面へ向かって水が流れ落ちる向きにとります。横断方向に勾配があれば、雨水は法肩を越えて法尻側へ抜け、天端での滞水を防げます。

選択肢4は、この勾配を縦断方向(堤防の延長方向)に設けるとした点が誤りです。縦断方向にだけ傾けても、水は堤防に沿って長く流れるばかりで天端の面的な滞水は解消されず、かえって特定箇所に水が集まって浸透・侵食を招きます。「堤防に沿って水を流す」という語感から縦断方向を選ばせる点が、この問題の引っかけです。

覚え方

  • 堤体表面の排水勾配は横断方向(天端→法面へ流し落とす)
  • 腹付けは裏法面側が原則/旧堤防の撤去は新堤防が安定したのち
  • 軟弱地盤上は緩速載荷工法・地盤改良工法で沈下と破壊を防ぐ
  • 「縦断方向に勾配」は引っかけ。延長方向に流しても面的な滞水は防げない

理解度チェック

問題:堤体への雨水の滞水・浸透を防ぐため、堤体の縦断方向に勾配を設けて表面排水する。

〇か×か。

答え:×

表面排水の勾配は堤体の横断方向に設けます。天端から法面へ流し落とす向きで、縦断方向ではありません。

問題:堤防を拡幅する腹付けは、旧堤防の裏法面側に行うのが原則である。

〇か×か。

答え:

表法面側に腹付けすると川幅を狭めて流下を妨げるため、原則は裏法面(堤内地)側に腹付けします。

令和7年度 2級土木施工管理技士 第一次検定(前期)過去問解説 一覧へ

出典・参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 2級土木施工管理技術検定 第一次検定(前期) 問題」
  • 築堤・堤防の拡幅・表面排水・軟弱地盤対策:河川砂防技術基準、国土交通省 河川編 河川構造物設計(堤防)

※ 問題文は転載していません。施工手順・勾配の向きは標準的な内容で、最新の基準で確認してください。

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

この記事を書いた人

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や河川砂防技術基準に照らして整理しています。

Topへ >>

  1. HOME > 過去問解説 > 2級 > 令和7年度(前期) > No.20 河川堤防の施工