編集部
ヒービングは、砂の地盤?粘土の地盤?答えは軟らかい粘土の地盤です。砂で水が湧き出すのはボイリング。どの地盤でどれが起こるかが問われます。
この記事の要点
掘削底面の破壊現象には、ヒービング・ボイリング・盤ぶくれ・パイピングがあります。
ヒービングは粘性土、ボイリングは砂質土で起こります。違いと過去問での問われ方も押さえます。
土留めをして深く掘ると、掘削底面(掘った穴の底)が壊れることがあります。どんな地盤で何が起こるかが、試験でよく問われます。
掘削底面の破壊現象には、軟らかい粘性土で起こるヒービング、砂質土で起こるボイリング、被圧地下水による盤ぶくれがあります。
これらは土留め壁を用いて掘削するときに、掘削底面で起こります。地盤の種類や地下水のようすによって、次のように分かれます。
ヒービングは、軟らかい粘性土地盤を掘削する場合に、掘削底面下の土の強度不足から掘削底面が隆起し、土留め壁の背面地盤で大きな地表面沈下が生じる現象です。
ボイリングは、地下水位の高い砂質土地盤などを掘削する場合に、掘削底面から水と土砂が湧き出して、掘削底面下の地盤が受働抵抗を失い、土留め壁の安定を損ねる現象です。
盤ぶくれは、粘性土などの難透水性地盤の下に被圧帯水層がある場合に、被圧地下水によって掘削底面がふくれ上がる現象です。
パイピングは、地盤の弱い箇所の細かい土粒子が浸透流によって洗い流され、土の中に水みちができる現象です。進むと水と土砂が噴き出します。
混同しやすい用語
ヒービング と ボイリング
どちらも掘削底面の破壊ですが、起こる地盤と原因が違います。ヒービングは、軟らかい粘性土地盤で、土の強度不足から掘削底面が押し上げられて隆起します。ボイリングは、砂質土地盤で、水と土砂が湧き出して地盤が抵抗力を失います。粘性土の強度不足がヒービング、砂質土の湧き出しがボイリング、と整理できます。
掘削底面の破壊現象は、2級・1級でほぼ毎年問われる定番です。引っかけの中心は、現象と地盤の組合せの取り違えです。
ヒービングは軟らかい粘性土、ボイリングは砂質土で起こります。砂質地盤に「ヒービングの検討」、粘性土に「ボイリング」と書くのが、誤り肢の定番です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 平成25年度 1級 No.15 | ヒービング対策として「背面地盤に盛土をした」とするのは誤り(盛土は荷重が増えてヒービングを助長する)←対策が逆 |
| 平成27年度 2級 No.4 | ヒービングを「ゆるい砂質土地盤で起こる現象」とするのは誤り(軟らかい粘性土で起こる)←地盤の取り違え・正答? |
| 平成28年度 1級 No.7 | 土質・地下水・工法・現象の正しい組合せ。砂質土+地下水が高い=ボイリング、軟らかい粘性土=ヒービング |
| 令和4年度 2級後期 No.11 | パイピングを「ヒービングがパイプ状に生じる現象」とするのは誤り(パイピングは土粒子が流される水みち)←現象の取り違え・正答? |
| 令和5年度 2級前期 No.11 | ヒービングを「砂質地盤で砂が吹き上がる現象」とするのは誤り(それはボイリング)←定義の取り違え・正答? |
| 令和5年度 2級後期 No.11 | ボイリングを「軟弱な粘土質地盤で起こる」とするのは誤り(ボイリングは砂質地盤)←地盤の取り違え・正答? |
| 令和5年度 1級 No.15 | 各現象への対策。正しい=ヒービング対策で掘削底面下の地盤改良。盤ぶくれ対策で不透水層を薄くする・ボイリング対策で背面の地下水位を上げるは誤り←対策が逆・正答? |
| 令和7年度 1級 No.28 | 仮締切り工で「砂質地盤の場合にヒービングの検討を行う」とするのは誤り(砂質地盤はボイリング)←現象と地盤のすり替え・正答? |
問題:ヒービングは、軟らかい粘性土地盤を掘削する場合に、掘削底面が隆起する現象である。
〇か×か。
答え:〇
ヒービングは軟らかい粘性土地盤で、土の強度不足から掘削底面が隆起します。
問題:ボイリングは、砂質土地盤で掘削底面から水と土砂が湧き出し、地盤が受働抵抗を失う現象である。
〇か×か。
答え:〇
ボイリングは砂質土地盤で水と土砂が湧き出し、地盤が抵抗力を失います。
問題:盤ぶくれは、難透水性地盤の下に被圧帯水層がある場合に、被圧地下水で掘削底面がふくれ上がる現象である。
〇か×か。
答え:〇
盤ぶくれは、難透水性地盤の下の被圧地下水によって掘削底面が押し上げられます。
掘削底面の破壊現象には、ヒービング・ボイリング・盤ぶくれ・パイピングがあります。
ヒービングは軟らかい粘性土、ボイリングは砂質土で起こるのが要点です。
ヒービングを砂質土の現象とする誤りが、過去問でよく問われます。
参考資料
※ 破壊現象は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月