編集部
高低差はどう出す?昇降式なら、後視の合計から前視の合計を引くだけです。計算と、レベルの種類の引っかけが問われます。
この記事の要点
水準測量は、レベルと標尺で2点間の高低差を測る測量です。昇降式では、高低差=後視の合計?前視の合計で求めます。
前視と後視を等距離にして誤差を消すこと、自動レベルのしくみと計算の手順を、過去問にそって押さえます。
水準測量は、土木の高さの基準をつくる基本の測量です。2級では昇降式の計算が、機器ではレベルの種類が、試験でよく問われます。
水準測量は、レベルと標尺で高低差を測る測量で、昇降式では高低差=後視の合計?前視の合計で求めます。
レベルを2つの標尺の間に据え、すでに高さがわかっている点に立てた標尺を読むのが後視、高さを求めたい点に立てた標尺を読むのが前視です。後視から前視を引くと、その区間の高低差になります。
途中で高低差が大きいときは、もりかえ点(ターニングポイント)を設けてレベルを据え直しながら測り進めます。後視と前視を1組ずつ足し合わせていくのが昇降式です。
昇降式では、高低差=後視の合計?前視の合計で求めます。次の流れで計算します。
計算の流れの例を見てみます。既知点の標高を10.000mとし、後視が1.234m・1.567m、前視が0.890m・1.123mのとき、後視の合計は1.234+1.567=2.801m、前視の合計は0.890+1.123=2.013mです。高低差=2.801?2.013=+0.788mとなり、求点の標高は10.000+0.788=10.788mです。
視準線がわずかに傾いていても、前視と後視の距離を等しくすれば、その誤差は打ち消されます。レベルを2点のほぼ中間に据えるのはこのためです。往復観測をして、平均をとることでも精度を高めます。
レベルには種類があります。自動レベルは、観測者が気泡管で合わせるのではなく、コンペンセータ(自動補正装置)で視準線を自動的に水平にします。電子レベルは、バーコードの専用標尺を読み取り、電子的に画像処理して読定します。
混同しやすい用語
後視 と 前視
後視は、すでに高さがわかっている点(出発点・もりかえ点)の標尺を読む値です。前視は、これから高さを求める点の標尺を読む値です。高低差は「後視?前視」で、足すのは後視どうし・前視どうし、と整理できます。
水準測量は、2級で昇降式の計算が、1級でレベルの種類が問われます。引っかけの中心は、計算での後視・前視の取り違えと、自動レベルのしくみです。
自動レベルはコンペンセータで自動的に視準線を水平にする機器です。「気泡管水準器で観測者が水平にする」とするのは誤りです。計算では、後視と前視を入れ替えると符号が逆になります。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 平成25年度 1級 No.1 | レベルと標尺。自動レベルを「気泡管水準器により観測者が視準線を水平にする」とするのは誤り(コンペンセータで自動的に水平)←しくみの取り違え |
| 2級(計算問題・ほぼ毎年) | 水準測量の昇降式で高低差・標高を計算。後視の合計?前視の合計で高低差を求める←後視と前視の取り違え |
| 1級 TS・GNSS基準点測量 | トータルステーションやGNSS測量機による観測の手順・留意点。GNSSは電波を受信して位置を求める←観測手順の正誤 |
問題:昇降式の水準測量では、高低差は後視の合計から前視の合計を引いて求める。
〇か×か。
答え:〇
高低差=後視の合計?前視の合計です。求点の標高は、既知点の標高にこの高低差を足して求めます。
問題:自動レベルは、観測者が気泡管水準器で視準線を水平にして観測する。
〇か×か。
答え:×
自動レベルは、コンペンセータ(自動補正装置)で視準線を自動的に水平にします。気泡管で観測者が合わせるのは誤りです。
問題:レベルを前視と後視の中間に据えると、視準線のわずかな傾きによる誤差を消すことができる。
〇か×か。
答え:〇
前視と後視の距離を等しくすると、視準線の傾きによる誤差が打ち消されます。だからレベルは2点のほぼ中間に据えます。
水準測量は、レベルと標尺で高低差を測る測量です。
高低差=後視の合計?前視の合計、自動レベルはコンペンセータで自動水平が要点です。
昇降式の計算と自動レベルのしくみが、過去問でよく問われます。締固めの品質管理ではTS・GNSSで走行軌跡を管理する方法も問われます。
参考資料
※ 計算方法・機器のしくみは測量の標準的な内容に基づきます。基準や数値は最新の準則・資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月