ゼロから学ぶ土木施工管理

ゼロから学ぶ土木施工管理
  1. HOME > コンクリート > 鉄筋の加工・組立は過去問でどう問われる?

鉄筋の加工・組立は過去問でどう問われる?

編集部キャラクター

編集部

「かぶり」と「あき」、どっちがどっちか迷いませんか?鉄筋と表面の距離がかぶり、鉄筋どうしの距離があきです。図で見ると一発でつかめます。

この記事の要点

鉄筋は常温加工が原則で、かぶり・あきを確保して組み立てます。

かぶりは鉄筋と表面の距離、あきは鉄筋どうしの距離です。点溶接は使いません。過去問での問われ方も押さえます。

鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートが力を分担して成り立ちます。鉄筋を正しく加工し、適切な位置に組み立てることが品質と耐久性を左右します。

鉄筋は常温加工が原則で、かぶり・あきを確保して組み立て、交点は結束線で結束します(点溶接は使いません)。

鉄筋の加工

鉄筋は、熱を加えずに常温で曲げ加工するのが原則です。組み立てる前には清掃して浮きさびなどを除去し、鉄筋とコンクリートの付着を害さないようにします。

施工継目などで一時的に曲げた鉄筋を、所定の位置に曲げ戻す必要が生じた場合は、900?1000℃程度に加熱して行います。常温のまま曲げ戻すと、鉄筋が折れるおそれがあるためです。

かぶりとあき

かぶりとあきは、鉄筋の位置を決める基本の用語です。断面で見ると違いがはっきりします。

鉄筋のかぶりとあきの断面模式図 コンクリート かぶり あき スペーサ
かぶりとあきの断面模式図(寸法はイメージです)。かぶりは鉄筋表面からコンクリート表面までの最短距離、あきは鉄筋どうしのすき間です。

かぶり

かぶりは、鉄筋の表面からコンクリート表面までの最短距離です。鉄筋を中性化や塩害から守り、耐久性・耐火性・付着を確保するために必要です。スペーサで所定のかぶりを保ちます。

あき

あきは、隣り合う鉄筋どうしのすき間です。粗骨材を含むコンクリートがすき間なく充填されるよう、十分なあきを確保します。

組立と継手

鉄筋の交点は、結束線で結束して固定します。繰返し荷重を受ける構造物では、鉄筋を傷めて破断の起点になるおそれがあるため、点溶接は用いません。

鉄筋をつなぐ継手には、重ね継手・ガス圧接継手・機械式継手などがあります。継手は、同じ断面に集中しないよう位置をずらして配置します。型枠に接するスペーサは、本体コンクリートと同等以上の品質のコンクリート製のものを用います。

混同しやすい用語

重ね継手 と ガス圧接継手

どちらも鉄筋をつなぐ継手ですが、つなぎ方が違います。重ね継手は、2本の鉄筋を重ね合わせ、結束して一体化させる継手です。ガス圧接継手は、鉄筋の端面どうしを突き合わせ、加熱して圧力をかけ、ふくらみをつくって接合する継手です。重ねて結ぶのが重ね継手、熱と圧力でつなぐのがガス圧接継手、と整理できます。

過去問でどう問われたか

鉄筋の加工・組立は、加熱加工後の冷やし方・継手・点溶接の可否が正誤判定で問われます。引っかけはおおむね次の3つの型に分かれます。

  • 逆設定型:加熱加工後の冷却を「急冷」とする(正しくは徐冷)。冷やし方を逆にする引っかけ。
  • 可否型:繰返し荷重を受ける組立で点溶接を「用いる」とする(正しくは点溶接を使わず結束線で結束)。
  • 数値型:曲げ戻しの加熱温度を問う(900?1000℃程度。常温で戻すと折れる)。
出題年度・級(問番)問われ方(引っかけの核心)
平成25年度 2級(No.8)径の太い鉄筋を熱して加工したあと「急冷させる」は誤り。急冷は材質を害するため徐冷する。曲げ戻しは材質を害するので極力避け、スペーサーはモルタル製・コンクリート製、長時間大気にさらす場合は防せい処理、が正しい肢。
平成25年度 1級(No.30)鉄筋ガス圧接継手の可否・検査。手動ガス圧接で圧接面のずれが規定値を超えた場合は、再加熱して加圧し修正する。SD345とSD490など強度差の大きい鉄筋の圧接可否に注意。
頻出論点(加工)曲げ戻しが必要なときの加熱温度は900?1000℃程度。常温のまま曲げ戻すと折れるおそれがある。
頻出論点(組立)繰返し荷重を受ける構造物の鉄筋組立で「点溶接を用いる」は誤り。鉄筋を傷め破断の起点になるため、交点は結束線で結束する。

加熱加工した鉄筋を「急冷させる」、繰返し荷重の組立で「点溶接を用いる」とする記述はいずれも誤りです。急冷は材質を害するので徐冷し、点溶接は破断の起点になるため使わず結束線で結束します。冷やし方を逆にする・使えない接合を使うとする、という逆の言い回しが引っかけの定番です。

理解度チェック

問題:かぶりは、鉄筋の表面からコンクリート表面までの最短距離である。

〇か×か。

答え:

かぶりは鉄筋表面からコンクリート表面までの最短距離で、鉄筋を中性化や塩害から守ります。鉄筋どうしのすき間はあきです。

問題:繰返し荷重を受ける構造物の鉄筋組立では、強固に組み上げるため点溶接を用いる。

〇か×か。

答え:×

点溶接は鉄筋を傷め、繰返し荷重で破断の起点になります。交点は結束線で結束します。組立方法の正誤は過去問の頻出論点です。

問題:径の太い鉄筋を熱して加工したあとは、急冷させる。(平成25年度 2級 No.8)

〇か×か。

答え:×

急冷すると鉄筋の材質を害するため、加熱加工後はゆっくり冷ます徐冷とします。なお曲げ戻しが必要なときは900?1000℃程度に加熱して行い、常温のまま戻すと折れるおそれがあります。

まとめ

鉄筋は常温加工が原則で、かぶり・あきを確保して組み立てます。

かぶりは鉄筋と表面の距離、あきは鉄筋どうしの距離で、交点は結束線で結束(点溶接は使わない)のが要点です。

曲げ戻しの加熱温度や点溶接の可否が、過去問でよく問われます。

参考資料

  • 土木学会「コンクリート標準示方書」
  • 国土交通省「土木工事共通仕様書」

※ 数値・方法は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

この記事を書いた人

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

Topへ >>

  1. HOME > コンクリート > 鉄筋の加工・組立は過去問でどう問われる?