ゼロから学ぶ土木施工管理

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グラウチングは過去問でどう問われる?

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注入は、濃いセメントミルクから入れる?薄いほうから?答えは薄いほうからです。薄い配合から濃い配合へ順に切り替えます。逆に書くのが定番の引っかけです。

この記事の要点

グラウチングは、ダムの基礎地盤の遮水性改良・弱部補強を目的とする基礎処理です。

コンソリデーション・カーテン・ブランケットがあり、注入は薄い配合から濃い配合へ。過去問での問われ方も押さえます。

ダムの基礎地盤に薬液(セメントミルク)を注入して固める処理をグラウチングといいます。種類と注入の順序が、試験でよく問われます。

グラウチングは、ダム基礎地盤の遮水性改良・弱部補強を目的とし、コンソリデーション・カーテン・ブランケットがあり、注入は薄い配合から濃い配合へ行います。

グラウチングの目的

グラウチングは、ダムの基礎地盤などの遮水性の改良、または弱い部分の補強を主な目的として行います。地盤の透水性は、ボーリング孔を利用した水の圧入によるルジオンテストで調べ、ルジオン値(Lu)で評価します。ダムの種類によって、用いるグラウチングの組み合わせが変わります。

グラウチング(コンソリデーション・カーテン・ブランケット)の分類ツリー グラウチング コンソリデーション 着岩部の遮水・補強 カーテン 深部の遮水カーテン ブランケット フィルダムのコア部
グラウチングの種類。目的と施工する場所によって使い分けます。

グラウチングの種類

コンソリデーショングラウチング

コンソリデーショングラウチングは、重力式コンクリートダムなどの着岩部付近で、遮水性の改良と基礎地盤の弱部の補強を目的として行います。

カーテングラウチング

カーテングラウチングは、基礎地盤の深い部分に、水を通しにくいカーテン(壁)状の改良帯をつくって遮水する処理です。施工位置は、コンクリートダムでは上流のフーチングや堤内通廊から、ロックフィルダムでは監査廊から行うのが一般的です。

ブランケットグラウチング

ブランケットグラウチングは、ロックフィルダムのコア(中心の遮水部)の着岩部付近を対象に、カーテングラウチングと相まって遮水性を改良することを目的に行います。

注入の配合と順序

グラウチングは、削孔とセメントミルクの注入を、ステージ(一定の深さの区間)ごとに区切って繰り返します。このステージ注入工法では、標高の上位から下位に向かって、削孔と注入を交互に行っていきます。下位から上位へと逆に書くのが、過去問の定番の引っかけです。

セメントミルクの配合は、水セメント比(W/C)で表します。ルジオン値に応じた初期配合から、地盤の透水性などを考慮して、濃度の薄いものから濃いものへ順に切り替えながら注入します。濃い配合から先に入れる、と書くのも誤りです。

混同しやすい用語

コンソリデーション と カーテン と ブランケット

3種は、対象とするダムと施工する場所が違います。コンソリデーショングラウチングは、重力式コンクリートダムの着岩部付近を面的に固め、遮水性の改良と弱部の補強を行います。カーテングラウチングは、基礎の深い部分にカーテン状の遮水帯をつくって、水の回り込みを止めます。ブランケットグラウチングは、ロックフィルダムのコア着岩部を対象に、カーテングラウチングとあいまって遮水性を改良します。

過去問でどう問われたか

グラウチングは1級の専門土木で、ダムの基礎処理としてほぼ毎年1問出ます。引っかけは大きく3型です。

  • ①注入の順序のすり替え(薄い配合から、を「濃い配合から」と逆にする)
  • ②施工の方向のすり替え(ステージ注入工法を「下位から上位へ」とする)
  • ③種類の役割のすり替え(コンソリデーションとブランケットの対象ダムを入れ替える)
年度・級・No.問われ方/引っかけ
令和7年度 1級 No.38コンソリデーションを「ロックフィルダムの着岩部…カーテンとあいまって」と説明=誤り(それはブランケットの役割。コンソリは重力式コンクリートダム)←種類のすり替え・正答?
令和6年度 1級 No.38ステージ注入工法を「下位から上位へ削孔と注入を交互に」=誤り(上位から下位へが正)←方向のすり替え・正答?
令和5年度 1級 No.33配合を「濃いものから薄いものへ順に注入」=誤り(薄いものから濃いものへが正)←順序のすり替え・正答?
令和2年度 1級 No.33ステージ注入工法を「下位から上位へ」=誤り(上位から下位へが正)←方向のすり替え・正答?
平成27年度 1級 No.33配合を「濃い配合から順に注入」=誤り(薄い配合から濃い配合へが正)←順序のすり替え・正答?

核心は3つです。注入は薄い配合から濃い配合へ、ステージ注入工法は標高の上位から下位へ、そしてコンソリデーションは重力式コンクリートダムの着岩部(ロックフィルダムのコアはブランケット)。この3点の左右を逆にした記述が、繰り返し誤り肢になります。

理解度チェック

問題:グラウチングのセメントミルクは、濃い配合から薄い配合へ順に切り替えながら注入する。

〇か×か。

答え:×

逆です。薄い配合から濃い配合へ順に切り替えます(令和5年度 1級 No.33)。

問題:ステージ注入工法は、標高の上位から下位に向かって、削孔と注入を交互に行う。

〇か×か。

答え:

上位から下位へ進めます(令和7年度 1級 No.38)。下位から上位へ、と逆にしたものが誤り肢です(令和2・令和6)。

問題:コンソリデーショングラウチングは、ロックフィルダムのコア着岩部を対象に行う。

〇か×か。

答え:×

それはブランケットグラウチングです。コンソリデーションは重力式コンクリートダムの着岩部付近を対象にします(令和7年度 1級 No.38)。

問題:ダム基礎地盤の透水性は、ルジオンテストにより調べ、ルジオン値(Lu)で評価する。

〇か×か。

答え:

透水性はボーリング孔を利用した水の圧入(ルジオンテスト)で調べ、ルジオン値で評価します。

まとめ

グラウチングは、ダム基礎地盤の遮水性改良・弱部補強を目的とし、コンソリデーション・カーテン・ブランケットがあります。

注入は薄い配合から濃い配合へ、ステージ注入工法は上位から下位へが要点です。透水性はルジオン値で評価します。

配合の順序・施工の方向・種類の役割の3つを、左右を逆にした誤りが過去問で繰り返されます。

参考資料

  • 国土交通省「ダム基礎処理(グラウチング)」関連資料
  • 土木学会「ダムの施工」関連資料

※ グラウチングの種類・注入は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

この記事を書いた人

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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