編集部
寒い日と暑い日で、対策が逆になるのは分かりますか?寒いときは凍らせない、暑いときは早く乾かさない。敵が違うので、やることも変わります。
この記事の要点
日平均気温が4℃以下なら寒中コンクリート、25℃を超えると暑中コンクリートとして対策します。
寒中は初期凍害、暑中はコールドジョイントが主な敵です。過去問での問われ方も押さえます。
気温が低すぎても高すぎても、コンクリートはうまく固まりません。気温に応じて、寒中コンクリート・暑中コンクリートとして特別な対策をとります。
日平均気温が4℃以下なら寒中コンクリート、25℃を超えると暑中コンクリートとして、温度に応じた対策をとります。
| 寒中コンクリート | 暑中コンクリート | |
|---|---|---|
| 目安 | 日平均気温4℃以下 | 日平均気温25℃超 |
| 主なリスク | 初期凍害 | コールドジョイント・急乾燥 |
| 打込み温度 | 5?20℃を標準 | 35℃以下 |
寒中コンクリートは、固まる前に凍る「初期凍害」を防ぐことが大切です。材料を加熱して打込み温度を確保しますが、セメントは直接加熱しません(水や骨材を加熱します)。打込み温度は5?20℃を標準とし、薄い部材ほど高めにします。
凍害に強いAE剤を使い、単位水量はできるだけ少なくします。打込み後は保温や給熱で養生し、所定の強度が出るまで凍らせないようにします。
暑中コンクリートは、早く固まりすぎることによるコールドジョイントや、急な乾燥によるひび割れを防ぎます。打込み温度はできるだけ低くし、35℃以下とします。
気温が高いと固まるのが早いため、練混ぜから打込み終了までは1.5時間以内に行います。コールドジョイントの発生を防ぐため、混和剤は標準形ではなく遅延形のものを用います。打込み後は、直射日光や風による急な乾燥を防ぐよう湿潤養生します。
混同しやすい用語
初期凍害 と コールドジョイント
どちらも温度に関わる不具合ですが、起きる場面が逆です。初期凍害は、寒いときに、固まる前のコンクリートが凍ってしまい、強度が出なくなる現象です。コールドジョイントは、暑いときなどに、先に打ったコンクリートが固まり始めてから次を打ち重ね、層の境が一体化しない継ぎ目です。寒さで凍るのが初期凍害、つなぎ目が一体化しないのがコールドジョイント、と分けて覚えます。
寒中・暑中は、区分の温度と、寒暖で逆になる対策が正誤判定で問われます。引っかけは、寒中と暑中の対策をすり替える型が中心です。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方(引っかけの核心) |
|---|---|
| 令和8年度 2級前期(No.12) | コンクリートの種類。寒中コンクリートは日平均気温が4℃以下になると想定されるときに施工する、が正しい記述。区分の境界温度を変える肢に注意。 |
| 頻出論点(寒中) | 初期凍害を防ぐため材料を加熱するが、セメントは直接加熱せず水・骨材を加熱する。打込み温度は5?20℃を標準。「セメントを直接加熱する」は誤り。 |
| 頻出論点(暑中) | 打込み温度は35℃以下、練混ぜから打込み終了まで1.5時間以内。コールドジョイント防止に遅延形の混和剤を用いる。「標準形・促進形を用いる」は誤り。 |
寒中で「セメントを直接加熱する」、暑中で「標準形(促進形)の混和剤を用いる」とする記述はいずれも誤りです。寒中は水・骨材を加熱しセメントは直接加熱せず、暑中はコールドジョイント防止に遅延形の混和剤を用います。寒暖で逆になる対策を入れ替えるのが引っかけの定番です。
問題:寒中コンクリートでは、打込み温度を確保するためにセメントを直接加熱する。
〇か×か。
答え:×
セメントは直接加熱しません。水や骨材を加熱して、打込み時の温度を確保します。
問題:暑中コンクリートでは、コールドジョイント防止のため、遅延形の混和剤を用いる。
〇か×か。
答え:〇
暑いと固まるのが早いため、固まるのを遅らせる遅延形の混和剤を用い、コールドジョイントを防ぎます。
問題:日平均気温が25℃を超えることが予想されるときは、暑中コンクリートとして施工する。
〇か×か。
答え:〇
日平均気温25℃超で暑中コンクリート、4℃以下で寒中コンクリートとして対策します。寒中の境界(日平均4℃以下)は令和8年度 2級 No.12でも問われました。
寒中・暑中コンクリートは、気温に応じた温度対策です。
4℃以下は寒中(初期凍害対策・材料加熱)、25℃超は暑中(コールドジョイント対策・打込み温度35℃以下)が要点です。
寒中のセメント直接加熱や、暑中の遅延形混和剤が、過去問でよく問われます。
参考資料
※ 温度・数値は標準的な目安です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月