編集部
「限界の中に入っていれば安心」と思っていませんか?じつは、限界内でも点が片側に寄ると要注意です。管理図は並び方まで見るのがポイントです。
この記事の要点
管理図は、データを時間順にプロットして、工程が安定しているかを見る図です。
中心線(CL)・上方管理限界(UCL)・下方管理限界(LCL)を引きます。点の並び方も見ます。過去問での問われ方も押さえます。
管理図は、ヒストグラムと並ぶ品質管理の道具です。ヒストグラムが分布の形を見るのに対し、管理図は時間の変化を見ます。
管理図は、データを時間順にプロットして工程が安定しているかを見る図で、中心線(CL)・上方管理限界(UCL)・下方管理限界(LCL)を引きます。
横軸に時間(データを採った順)、縦軸に測定値をとり、点を打って線で結びます。真ん中に中心線(CL)、その上下に上方管理限界(UCL)・下方管理限界(LCL)を引きます。
点が管理限界の中にランダムに並んでいれば、工程は安定している(管理状態にある)と判断します。たとえば、25点以上が管理限界内に連続している状態は、最も安定していて改善の必要がありません。
一方、次のような並び方は、たとえ管理限界内でも工程に異常があるサインです。
計量値(長さや重さなど、はかって得る値)の管理によく使われるのが、x-R管理図です。不適合品の数のような計数値ではなく、計量値を扱います。
これは、群(グループ)ごとの平均値を見るx管理図と、群ごとのばらつき(範囲R)を見るR管理図を組み合わせたものです。平均がx、ばらつき(範囲)がRで、この役割を入れ替えないよう注意します。グラフは棒グラフではなく、折れ線で表します。
混同しやすい用語
管理限界線 と 規格値
どちらも管理図に現れる線ですが、意味が違います。管理限界線(UCL・LCL)は、工程そのもののばらつきから計算する線で、工程が安定しているかを判断するためのものです。規格値は、構造物に求められる品質の基準で、合格・不合格を決めるものです。工程の安定を見るのが管理限界線、合否を決めるのが規格値、と分けて覚えます。
管理図は、1級・2級ともに品質管理でよく出ます。引っかけは大きく3型です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和7年度 2級 No.65 | x管理図を「組ごとの分布の幅で管理」・R管理図を「組ごとの平均値で管理」=誤り(平均がx、ばらつき(範囲)がR)←x/Rのすり替え・正答? |
| 令和6年度 1級 No.32 | 点の並びの判定。管理限界線に接近して頻発・片側に並ぶ=異常(管理限界内でも安定とはいえない)←点の並び・正答? |
| 令和5年度 2級 No.60 | x-R管理図を「棒グラフで示す」「計数値を扱う」=誤り(折れ線で示す・計量値を扱う)←x-R管理図の性質・正答? |
| 平成28年度 1級 No.25 | 最も安定した点の並びを選ぶ=25点以上が管理限界内に連続している状態←点の並び・正答? |
核心は3つです。点は管理限界内でも片側連続・上昇傾向なら異常、x-R管理図は平均がx・ばらつき(範囲)がR、そして管理限界線は工程の安定を見る線で、合否を決める規格値とは別。並び・x/R・規格値を取り違えた記述が、誤り肢になります。
問題:管理図は、データを時間順にプロットして、工程が安定しているかを見る図である。
〇か×か。
答え:〇
管理図は時間の変化を見ます。中心線CL・上方管理限界UCL・下方管理限界LCLを引き、点の並び方で判断します。
問題:点が管理限界内にあっても、中心線の片側に連続している場合は工程に異常があるサインである。
〇か×か。
答え:〇
限界内でも、片側に連続する(かたより)、上昇・下降が続く、周期的に上下するなどの並び方は異常のサインです(平成28年度 1級 No.25・令和6年度 1級 No.32)。
問題:x-R管理図のx管理図は群ごとの平均値、R管理図は群ごとのばらつき(範囲)を管理する。
〇か×か。
答え:〇
平均がx、ばらつき(範囲)がRです。役割を入れ替えたものが誤り肢でした(令和7年度 2級 No.65)。
問題:x-R管理図は、計数値を棒グラフで管理する図である。
〇か×か。
答え:×
x-R管理図は計量値を扱い、折れ線で表します(令和5年度 2級 No.60)。
管理図は、データを時間順にプロットして工程の安定を見る図です。
中心線CL・管理限界UCL/LCLを引き、点が限界内にランダムなら安定、片側連続や上昇傾向は異常と判断します。
点の並び・x/R管理図の役割・管理限界線と規格値の別の3点が、過去問で繰り返し問われます。
参考資料
※ 見方・考え方は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月