編集部
仮設は本体と同じくらい頑丈に作るべき、と思いますか?じつは使う期間が短いので、安全率を少し割り引くこともあります。仮設ならではの考え方を押さえましょう。
この記事の要点
仮設工事は、工事のために一時的に設ける設備です。用途で直接仮設・間接仮設、取り決めで指定仮設・任意仮設に分かれます。
仮設構造物は使用期間が短いため、安全率を多少割り引くことがあります。過去問での問われ方も押さえます。
仮設工事は、本工事を進めるために一時的に設け、完成後に撤去する設備です。分類のしかたと、計画の注意点を押さえます。
仮設工事は、工事のため一時的に設ける設備で、用途で直接仮設・間接仮設、取り決めで指定仮設・任意仮設に分かれます。
仮設は、2つの見方で分類できます。1つは用途による分け方です。
直接仮設は、本工事に直接関わる仮設で、足場・土留め・支保工・工事用道路などです。間接仮設(共通仮設)は、工事全体に共通する仮設で、現場事務所・倉庫・宿舎・給排水や電力の設備などです。
もう1つは、取り決めによる分け方で、指定仮設と任意仮設に分かれます。一般には、施工者の判断に任せる任意仮設が多くなります。
仮設計画では、次の点に注意します。
仮設構造物は使用期間が短いことから、安全率を本体構造物より多少割り引いて設計することがあります。本体構造物と同じ安全率にする必要はありません。
混同しやすい用語
指定仮設 と 任意仮設
どちらも取り決めによる分け方ですが、決める人が違います。指定仮設は、発注者が設計図書で構造や規模を指定する仮設で、変更するには発注者の承認が必要で、契約変更の対象になります。任意仮設は、施工者が自分の判断で構造や規模を決められる仮設で、原則として施工者の裁量に任されます。発注者が決めるのが指定仮設、施工者が決めるのが任意仮設、と整理できます。
仮設工事は、1級・2級とも分類や計画の考え方が正誤判定で問われます。問われ方は3つの型に分かれます。
①仮設構造物の安全率、②指定仮設と任意仮設の取り扱い(契約変更の対象か)、③仮設計画の基本(材料の規格統一・安全の基準)です。
仮設構造物を「本体構造物と同等の安全率で設計する」とする記述は誤りです。仮設は使用期間が短いため、安全率を多少割り引いて設計することがあります。
| 年度・級 | No. | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 平成22年度・1級 | No.7 | 仮設構造物の安全率。「本体構造物と同等の安全率で設計する」とする誤り(割り引いて設計することがある) |
| 平成25年度・2級 | No.48 | 指定仮設と任意仮設。「どちらも契約変更の対象にならない」とする誤り(指定仮設は契約変更の対象になる) |
このほか、仮設材料は「他工事に転用しない」ではなく転用できるよう規格を統一すること、仮設備も労働安全衛生規則の基準に合致させることが複数年で問われます。
問題:仮設には、発注者が指定する指定仮設と、施工者の判断に任せる任意仮設があり、一般に任意仮設が多い。
〇か×か。
答え:〇
指定仮設は発注者が、任意仮設は施工者が決めます。特殊な場合を除き、一般には任意仮設が多くなります。
問題:仮設構造物は、一般に本体構造物と同等の安全率で設計する。
〇か×か。
答え:×
仮設は使用期間が短いため、安全率を本体構造物より多少割り引いて設計することがあります。平成22年度(1級)No.7では、仮設構造物を「本体構造物と同等の安全率で設計する」とする記述が誤りとして問われました。
問題:足場や土留めは直接仮設、現場事務所や倉庫は間接仮設(共通仮設)に分類される。
〇か×か。
答え:〇
本工事に直接関わるのが直接仮設、工事全体に共通するのが間接仮設(共通仮設)です。
仮設工事は、工事のために一時的に設ける設備です。
用途で直接仮設・間接仮設、取り決めで指定仮設・任意仮設に分かれ、安全率は本体より多少割り引くことがあるのが要点です。
指定仮設と任意仮設の違いや、安全率の考え方が、過去問でよく問われます。
参考資料
※ 分類・考え方は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月