ゼロから学ぶ土木施工管理

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施工計画と事前調査は過去問でどう問われる?

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編集部

ベテランの経験だけで計画を立てれば十分、と思いますか?じつはそれだけでは不十分です。複数の案を比べ、新しい工法も検討するのがよい計画です。

この記事の要点

施工計画は、工事を安全・確実・経済的に行うための計画で、複数の案を比較検討して立てます。

立てる前に、契約条件と現場条件の事前調査を行います。過去問での問われ方も押さえます。

施工計画は、工事全体の進め方を決める土台です。品質・工程・原価と安全を満たすように、事前の調査をもとに立てます。

施工計画は、工事を安全・確実・経済的に行うための計画で、契約条件と現場条件を事前調査したうえで、複数の案を比較検討して立てます。

施工計画の立て方

よい施工計画には、いくつかの基本があります。

  • 発注者の要求品質を確保し、安全を最優先にする
  • 過去の技術にとらわれず、新工法・新技術も取り入れて工夫・改善する
  • 1つの案だけでなく、複数の案を比較検討して最良の案を採用する
  • 発注者から示される工程をそのまま使わず、自社の条件で施工計画・工程を検討する
  • 現場担当者だけでなく、社内の組織(技術部門など)を活用して計画を立てる

その現場を熟知した担当者の経験は大切ですが、経験だけに頼って計画を立てるのは適切ではありません。

事前調査

施工計画を立てる前に、契約条件と現場条件を調べます。

事前調査の分類(契約条件・現場条件)ツリー 事前調査 契約条件 設計図書・契約書 現場条件 地形・地質・気象など
事前調査は、契約条件と現場条件の2つを確認します。

契約条件では、設計図書(図面・仕様書)や契約書の内容を確認します。現場条件では、地形・地質・気象、周辺環境、交通、近接する構造物、電力・水道、労務や資材の調達状況などを調べます。現場条件の調査は、精度を高めるために複数の人で行い、回数を重ねます。

施工計画の構成

施工計画は、内容ごとに次の4つの計画に整理でき、施工計画書としてまとめます。

  • 施工技術計画(作業計画・工程計画)
  • 仮設備計画(工事用道路・仮設建物などの仮設備)
  • 調達計画(労務計画・機械計画・資材計画)
  • 管理計画(品質管理計画・安全衛生計画・環境保全計画)

建設機械の選定

複数の機械を組み合わせて施工するときは、全体の作業能力が、組合せのなかで最も小さい機械(ボトルネック)で決まります。最大の機械で決まる、とするのは誤りです。

このため、主作業を助ける従作業の機械は、主作業の機械と同等か幾分大きい能力にして、作業量を平滑化します。

混同しやすい用語

契約条件 と 現場条件

どちらも事前調査の対象ですが、調べる中身が違います。契約条件は、設計図書(図面・仕様書)や契約書など、書類で決められた条件です。現場条件は、地形・地質・気象・周辺環境・交通など、実際の現場の状況です。書類で決まっているのが契約条件、現場の実情が現場条件、と分けて覚えます。

過去問でどう問われたか

施工計画は、立て方の基本と、計画の構成・機械の選定が1級・2級で問われます。引っかけは大きく3型です。

  • ①立て方のすり替え(経験だけ・発注者の工程・社内組織に頼らない、を「よい」とする)
  • ②機械の選定のすり替え(組合せの能力は最小で決まる、を「最大」とする)
  • ③計画の構成のすり替え(施工技術・仮設備・調達・管理の4計画の中身を入れ替える)
年度・級・No.問われ方/引っかけ
令和7年度 2級 No.60施工計画の構成。施工技術計画=作業・工程計画/仮設備計画=工事用道路/調達計画=機械計画/管理計画=環境保全計画(正しい組合せ)←計画の構成・正答?
令和6年度 1級 No.5発注者から示される工程を「経済的な最適工期だからそのまま使う」=誤り(自社の条件で施工計画を検討)←立て方・正答?
平成28年度 1級 No.5「現場担当者が社内組織に頼らず協力業者と計画書を作成する」=誤り(社内の組織を活用するのが原則)←立て方・正答?
平成25年度 1級 No.9組合せ機械の作業能力を「最大の作業能力を有する機械で決まる」=誤り(最小=ボトルネックで決まる)←機械の選定・正答?
平成25年度 1級 No.5施工計画を「担当者の経験だけに基づいて作成」=誤り(複数案を比較・新工法も採用)←立て方・正答?

核心は3つです。立て方は経験だけ・発注者の工程・社内組織に頼らず、複数案を比較して検討、機械は組合せの能力は最小(ボトルネック)で決まる、構成は施工技術・仮設備・調達・管理の4計画に分けられます。よい条件・能力・計画の中身を入れ替えた記述が、誤り肢になります。

理解度チェック

問題:施工計画は、1つの案だけでなく、複数の案を比較検討して最良の案を採用する。

〇か×か。

答え:

複数の案を比較検討し、発注者の要求品質と安全を満たす最良の案を採用します。

問題:施工計画は、その現場を熟知した担当者の経験だけに基づいて作成するのがよい。

〇か×か。

答え:×

経験だけに頼るのは適切ではありません。複数案の比較検討や、新工法・新技術の採用も心がけます(平成25年度 1級 No.5)。

問題:複数の機械を組み合わせて施工するときの作業能力は、最も大きい作業能力の機械で決まる。

〇か×か。

答え:×

組合せの作業能力は、最も小さい機械(ボトルネック)で決まります。従作業の機械は主作業と同等か幾分大きくします(平成25年度 1級 No.9)。

問題:事前調査では、契約条件(設計図書など)と現場条件(地形・地質など)を確認する。

〇か×か。

答え:

契約条件と現場条件を確認します。現場条件の調査は、精度を高めるため複数の人で回数を重ねて行います。

まとめ

施工計画は、工事を安全・確実・経済的に行うための計画です。

事前調査(契約条件・現場条件)をもとに、経験や発注者の工程に頼らず複数の案を比較検討して立て、施工技術・仮設備・調達・管理の4計画に整理するのが要点です。

立て方の基本・機械の選定・計画の構成が、過去問で繰り返し問われます。

参考資料

  • 国土交通省「土木工事共通仕様書」「施工計画」関連資料
  • 一般財団法人 建設業振興基金「施工計画」関連資料

※ 立て方・調査項目は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

この記事を書いた人

ゼロから学ぶ土木施工管理 編集部

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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